備蓄水はどれだけの量を何日分用意すればよい?
東日本大震災を機に、地震に対する備えを考える人は多くなったと思います。
iMiリサーチバンクの2011年8月の調査によると、
70%近い人が災害に対する備えをしており、
- 水・食料などの備蓄
- 消火器の用意
- 非常持ち出しグッズ
が上位となっているようです。
特に、震災が起こった後に「水・食料の備蓄」を備えた人が圧倒的に多いんですね。
ライフラインが止まってしまうと一番困るのは水ですから、それも当然だと思います。
しかし災害に備えるとしても、食料に関してはある程度数えられるので、自分で何日分用意したのかわかりやすいですが、液体である水は、どのくらい用意したらよいのかわかりにくいと思います。
では、備蓄水はどれくらい用意しておけば良いでしょうか?
それを考えてみましょう。
人間が1日に必要な水分量
まず、人は1日に飲食を通じてどれくらいの水を
体内に摂取しているのかを考えます。
人間の体は50%~80%は水分でできています。
年齢や性別などで差はありますが、基本的にこの水分量は保たなければいけません。
しかし、1日寝たきりであっても、生物の基本的な活動である尿や便などの排泄物、汗、呼吸などで、
約1.5リットルの水分(1日)を失います。
さらに起きていればもっと失いますし、運動をすればさらに失います。
失った水分は補給しなければなりません。
補給して、常に新しい水に保つことで体を維持しているのです。
水を補給しないと、体から水分が抜ける一方になるので、
肌はカサカサ、代謝は悪く、酷い場合は脱水症状で倒れてしまいます。
一般に、
成人が1日に必要な水分は平均で約2.5リットル
と言われていますが、食事から約1リットルは摂取できますので、
残りの1.5リットルは、水やお茶などの飲料水で補います。
なので飲み水だけでも1人1日最低1.5リットルは必要ということですね。
普段そんなに飲んでいるのかな?と思う方もいるかもしれませんが、
寝起きのコップ1杯の水から始まり、食事中や仕事中、お風呂上りや寝る前なども
飲むと思いますので、合計するとそれくらいは飲んでいると思います。
このように、飲み水が1.5リットル必要として、その他食事などの利用も考えると、
1人3リットル/1日ほど必要になります。
備蓄水は3日分用意する
阪神淡路大震災の時、給水車がいきわたるようになったのは3日後だったそうです。
その経験から、首都直下型地震のケースでは、備蓄水は3日分用意すればよいと言われています。
つまり、1人当たり9リットルですね。
ただし、東日本大震災の時はあまりに広範囲だったことから、給水車がくるのに地域差があったようです。
なので、3日分あれば十分とは一概に言えませんが、あくまで目安と考えると良いでしょう。
2013.05.19 追記:
被災地が広範囲となることが予想されている南海トラフ地震においては、備蓄は3日分ではなく、1週間分以上必要との内閣府の最終報告発表が出されました。
⇒南海トラフ大地震 備蓄は少なくとも1週間分は必要!
備蓄水を節約するには?
上で説明した量を考えると、結構多いですよね^^;
なので、せめて飲み水だけでも3日分は用意したいところです。
また、備蓄水は災害直後の行動次第で節約することができます。
災害直後は、まだ水道から水が出る場合がありますので、
もし水が出るなら、すぐにやっておきたいことがあります。
まずは、お風呂の水を溜めることと、
炊飯できる方はご飯を多めに炊いておくことです。
災害直後に冷静に判断・行動するのはなかなか難しいかもしれません。
でも、余震で断水や停電をする可能性もあるので、それを考えると、水がまだ出るうちに溜められる水は少しでも溜めておくことが大切です。
ただ、身の安全の確保が第一ですし、その時の状況にもよりますので、上の二つは可能であればできるようにするとして、ひとまず覚えておくだけでも良いでしょう。
お風呂の水は直接口にするものには使えないかもしれませんが、水が必要なのは口にするものだけではありません。
トイレや手洗いなど衛生用の水として使えます。
炊飯時でも、直接口にするものに使うのではなく、レトルトカレーを温めたりなどの調理用の水として使えます。
その他、お風呂に溜めた水は、トイレ用の水としても使えますが、
それには使う分量が多すぎますので、なるべく携帯トイレを用意するなど、少しでも使わない工夫は必要ですね。
また、お風呂に入るの自体も水が勿体ないので、ウエットティッシュなどでしのぎます。
このように、飲み水に限らなくても必要な用途がありますので、
そのような水をできるだけ確保したり、用意できるものはしておくことも、備蓄水の節約に繋がります。
ウォーターサーバーを日頃から使っていれば、自然に備蓄できる
飲食で必要な備蓄水の話に戻ると、ペットボトルで備蓄するのはかなり大変で、非効率です。
忘れがちなのは賞味期限です。
水は長く放置していると腐ってきます。
せっかく備蓄していても、水が腐っていると飲料用として使えませんよね。
なので普段から、古いものから先に使って新しいものにどんどん入れ替える管理が必要です。
1本無くなれば毎回買いたさなければいけません。
わざわざ把握しておくのは手間ですね^^;
しかし、ウォーターサーバーを普段から使っていれば、何も考えなくてもその問題は解決できます。
ウォーターサーバーを導入すると、定期的に水ボトルを届けてくれます。
ほとんどの会社で採用されている量が、1本12リットルのボトルです。
家族構成や使い方などで、必要に応じた本数を届けてもらいます。
ほとんどの場合、注文は”2本単位”や”2本以上”という決まりがあるので、
新しいものを届けてもらった時点で自然に備蓄になっているのです。
「備蓄する」という意識があまりなくても、
「届いたもののうち古いものから使う」感じになりますので、使いながら備蓄しているわけです。
大した管理は必要ありませんし、最初に注文した量を、2週間に1回など一定の間隔で持ってきてもらえます。
足りなくなればほとんどの会社で追加注文が可能ですし、量の変更もできます。
結果的に常に一定量の新しい水が備蓄されることになりますので、
賞味期限もストック切れも心配する必要はありません^^
そして、停電になった時はサーバー本体を使って冷やしたり温めたりすることはできませんが、
水そのものを使う分には問題ありません。
このように、普段は利便性を良くし、災害時には備蓄水として利用できるのがウォーターサーバーです。
家庭での利用が増えてきていますし、ペットボトルの水を買い続けるよりも経済的で便利です。
ぜひ多くの方に利用していただきたいですね^^
まとめ
今回は、水に関する備蓄について考えてみました。
まとめてみると、
- 備蓄水は、飲食用だけで3日分9リットル×人数分用意する
- 携帯トイレ、ウェットティッシュなど、水を節約するものも備えておく
- 災害発生直後は、お風呂の水を溜める(できれば)
- 災害発生直後は、ご飯を多めに炊いておく(できれば)
- 日頃からウォーターサーバーを利用しておけば、水の備蓄がラク
他にも上手な備蓄方法があるかもしれませんし、これで完璧というわけではありませんが、
一つの参考にしてみて下さいね^^